真言宗について

真言宗とは

 弘法大師(空海)を宗祖とする、仏教の真髄の教えを説く密教の宗派です。密教は、弘法大師によって、平安時代の初めに中国から日本に伝えられました。
 密教の根本の仏様は、宇宙の本体であり絶対の真理である「大日如来」です。大日如来の真言は、「オン アビラウンケン バサラ ダトバン」とお唱えします。

真言宗の根本の教え

 大日如来の知恵に目覚めるために、次のことを求めます。

  • 菩提(ぼだい)の心を発し、仏の誓願を堅く信じ、すべてのものの本性(ほんしょう)が清浄(しょうじょう)な心であることを、ありのままに知ること。
  • この世のすべてのものを愛する心と、真実を求める心を堅く持って、行いと言葉と心のすべての働きを通じて、真理を悟り、実践する仏の知恵に気づくこと。

高野山真言宗

弘法大師を宗祖として金剛峯寺(こんごうぶじ)(和歌山県高野山)を総本山とする真言宗の中心宗派です。弘法大師の奥の院御廟(おくのいんごびょう)を信仰の源泉とし、壇上伽藍(だんじょうがらん)を修学の地として、真言宗の教えと伝統を今日に伝えています。


高野山真言宗のみ教え

  • 宇宙のすべてのものが、大日如来の「いのち」の顕れとして平等であり、相互に助けあうことによって、その「いのち」をいかし、すばらしい個性を発揮すること。
  • すべての人々が、菩提の心を因として、慈悲の心を根本として、平和社会の建設を目指すこと。
  • 「生かせ いのち」を基調テーマに、弘法大師の「共利群生」(きょうりぐんじょう)という共存共生の精神に立って、すべての「いのち」の世界を生かす福祉社会を目指しています。

弘法大師

 弘法大師は、お名前が「空海」で灌頂名(かんじょうめい)を「遍照金剛」(へんじょうこんごう)とお呼びします。宝亀5年(774年)6月15日に、現在の香川県善通寺市でご誕生になり、未来永劫に渡って衆生を救済すると御誓願され、承和2年(835年)3月21日に和歌山県高野山の奥の院で御入定なされました。